吾妻山 | 神名火山の会

吾妻山

冬の吾妻山

8時50分、大峠から林道を車で登り、右手に広がっていた田んぼが終わり杉林に入る直前の道のへりに、糸原さんの車を停めてスタートする。昨日から今朝にかけて積もった新雪が10センチはあるだろうか。ワカン、スノーシューをつけないで、靴のままで歩き始めた。雪が少し散らついている。木村さんが快調なペースで飛ばされるので、必死になってついていく。糸原さんは、今シーズン初めての雪山とのこと、マイペースで糸原さんの後を追っていかれる。木村さんのあまりの速さに、必死でついていく僕は、ほどなくして汗ビッショリになる。雪はだんだん多くなるが、はまって歩きにくいということはない。春から秋にかけてよく歩くコースで見慣れた景色だが、雪におおわれていると趣を異にする。大きな岩からつららが吊り下がっている。気温は氷点下だろう。

 9時20分、林道の終点、吾妻山の取りつけ口に到着する。荷物を下ろして一息入れる。呼吸を整えて、快調な木村さんにペースダウンをお願いする。体が未だ高地に慣れず、眠りから覚めていない感じだ。

 大膳原を目指して再びスタート。登山道も急になり雪もぐっと多くなる。圧雪が50センチはあるだろう。締まった雪の上に、新雪が10センチ以上は積もっている。前の雪が堅く締まっているので、思いのほか歩きやすい。このままだと、ワカンをつける必要もなさそうだ。登りがいよいよ急になり、木村さんのペースも少し落ちてくるが、依然として先頭を切って登り、好調さを持続しておられる。前回の大万木山の山行で完全に復調されたようだ。

 一歩一歩、確実に歩を進めて行き、ついに大膳原に到着。新雪もあまりなくてほとんどはまらず、全く歩きやすい。糸原さんが、ここでリュックからスノーシューを下ろして装着される。糸原さんのスノーシュー体験は、今回が初めてのこと。糸原さんのスノーシューは、最新式で機能も非常に優れている。記念すべき、糸原さんのスノーシューデビューである。すぐにスノーシューに慣れて、俄然、パワー全開。糸原さんは、スノーシューの威力を発揮して、すいすいとまるでスキーで滑るがごとく快調に飛ばされる。木村さんと僕も後を追って大膳原を突っ切って行く。ガスがかかって回りの景色は何も見えないが、広い雪の野原を飛ばして進んでいくのは気持ちがいい。

10時20分、山小屋に到着。ここで小休止。荷物を置いて頂上を目指す。一気に直登だ。ここでも糸原氏のスノーシューがその威力を最大限に発揮。ガッ、ガッと、雪を確実に捉えてすいすいと登って行かれる。8合目あたりから、アイスバーン状態となり、靴がすべりキックが効かなくなる。糸原さんは先に頂上をアタック。続いて木村さんも頂上を制覇。僕は糸原さんスノーシューを借りてやっと頂上に着く。

11時、全員が吾妻山の頂上に立つ。何度立っても頂上はいいものだ。特に冬の雪山のピークは格別だ。

お世話になりました、また登りましょう。

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